【元看護師が解説】夜勤しても給料が上がらない構造的理由と、私たちが生き残るためのリアルな戦略

「今月もこんなに夜勤に入って、命を預かる重労働をしているのに、なんで基本給も手取りも全然上がらないんだろう……」

そう感じて疲弊していませんか?

「自分の努力不足なのかな」「もっと夜勤を増やさないとダメなのかな」と自分を責める必要は一切ありません。なぜなら、看護師の給料が上がらないのは、あなたのせいではなく「医療業界のお金の仕組み(構造)」に原因があるからです。

今回は、元看護師の私が「簿記3級」や「医療情報技師」の学びを通して気づいた病院の経営・制度の裏側を解説します。そして最後に、この構造の中で私たちがどうやって生き残っていくか、一緒に考えていきましょう!

簿記3級で学んだ「利益の法則」と病院の壁

簿記の勉強を始めて最初に知ったのは、**「利益 = 売上 - 費用」**というシンプルな公式でした。 企業が従業員の給料(人件費)を増やしたり、利益を出したりするには、アプローチは2つしかありません。

  1. 売上を増やす(商品の価格を上げる、または販売数を増やす)
  2. 費用(コスト)を減らす

一般企業なら、インフレや人件費の高騰に合わせて「商品の価格を上げる(値上げする)」ことができます。しかし、病院経営ではこの「売上を増やす」という選択肢が構造上使えません。

医療情報技師の学びで知った「営利目的の禁止」

医療情報技師の勉強をする中で、医療法における「病院・診療所は営利を目的として開設してはならない(非営利性の原則)」というルールを改めて学びました。

病院は株式会社のように自由な価格設定をして利益を追求することができません。提供する医療サービスの価格(単価)は、国が決定する「診療報酬」で一律に決められています。勝手に「明日から初診料を2倍にします」なんて値上げはできないのです。

さらに病床数(入院ベッド数)も法律で制限されているため、急に患者数を増やして売上を何倍にも伸ばすことも不可能です。 「単価も数量も国にコントロールされていて、努力で売上を伸ばせない」——これが、病院が抱える構造的な限界です。

令和6年度診療報酬改定のリアル

「でも、令和6年度の診療報酬改定で『看護師の賃上げ(ベースアップ評価料)』が新設されたよね?」と思った方もいるかもしれません。確かに国も賃上げに向けて動き出しています。

しかし、なぜ現場の給料が一気に上がらないのでしょうか? 理由は、昨今の物価高や光熱費・医療資材の高騰です。

国からいくらか評価料が補填されても、病院の電気代や物品購入費といった「固定費」がそれを上回るスピードで膨らんでいます。補填されたお金はコスト増の補填に消えてしまい、経営リスクを冒してまで「一度上げたら下げられない基本給の大幅アップ」に踏み切れる病院はごくわずかです。

じゃあ、私たちが生き残っていくには?(私の実践談)

病院の構造が変わらない以上、「病院に給料を上げてもらうのを待つ」のはリスクが高すぎます。だからこそ、自分自身の「選択肢」を増やす行動が必要です。

私が実際にやってみたアクションは以下の3つです。

1. 転職活動で「自分の市場価値」を確かめた

「看護師の資格があるから病院で働くしかない」と思い込まず、まずは転職活動を通して自分のスキルが外の市場でどう評価されるかを調べました。

そこで出会ったのが「治験コーディネーター(CRC)」という選択肢です。 病院を飛び出した結果、「日勤のみ・土日祝休み」という身体に優しい働き方でありながら、夜勤に入っていた看護師時代と同等の収入を得られるようになりました。外の世界に目を向けるだけで、働き方の可能性は一気に広がります。

2. できる副業を探してみた

病院の給料だけに依存する生活から抜け出すため、家でできる副業や新しいスキルの習得(WEBマーケティングやプログラミングなど)を模索し始めました。「自分の力で月に1万円でも稼げる」という感覚を持つだけで、精神的なゆとりが全く変わります。

3. 本業で「効率化のための提案」をしてみた

単にお金を稼ぐだけでなく、現場で「これ無駄だな」と感じる業務や動線を整理し、効率化のアイデアを上司に提案してみました。 業務効率化は病院の「コスト削減」に直結します。現場の無駄を削り、自分の価値を高める動きをすることは、巡り巡って自分の評価やスキルアップにつながっていきます。

【おわりに】どうやって生き残っていくか、一緒に考えよう!

病院のお金の仕組みを知ると、少し切なく感じるかもしれません。でも、仕組み(構造)を知ったからこそ、**「じゃあ自分はどう動くか?」**という次の作戦が立てられるようになります。

体を壊すまで無理な夜勤を続ける必要はありません。

  • 自分の市場価値を知るために一度外の求人を見てみる
  • 自分のスキルを磨いて副業に挑戦してみる
  • 現場のムダを減らす工夫を提案してみる

どんなに小さな一歩でも構いません。病院という狭い世界に依存せず、自分の足で立って自分の人生を守るために、「どうやって生き残っていくか」を一緒に考えて行動してみませんか?

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