結論
時間を有効に使いたい方のために結論から書きます
レボドパは
- レモン水で吸収が良くなる
- バナナジュースで吸収が悪くなる
レボドパとは
レボドパ(L-ドパ)はパーキンソン病の治療薬ですね。
レボドパについては教科書などに書かれているものが分かりやすいと思いますので
ここではさらっと復習しましょう。
レボドパはドパミンの前駆物質です。経口摂取したレボドパは小腸で吸収され、血中に入ります。脂溶性のため血液脳関門を通過できます。ドパ脱炭酸酵素(DDC)にて代謝し、ドパミンに変換され、不足しているドパミンを補充します。
レボドパはレモン水で服用すると吸収されやすい
レボドパは酸性で吸収されやすく、中性・アルカリ性で吸収されにくいです。
つまり、胃内のpHが低いほう(酸性)が吸収されやすくなります。
高齢者では加齢変化により消化液の分泌機能が低下します。
そのため酸性のレモン水などと服用すると吸収がよくなります。
わたしの病棟では、実際にレモン水で服用している高齢のパーキンソン病の方もいました。
そのほかレボドパの吸収を促進するものは
- レボドパを食前・空腹時に内服(胃内の酸性が強い状態の時に内服する)
- ドンペリドンやモサプリドクエン酸の内服
(パーキンソン病では消化管運動が低下するため、消化管運動促進薬を内服し、胃からの排出時間を短縮する)
参考文献
日本神経学会治療ガイドライン パーキンソン病治療ガイドライン(https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/parkinson_04.pdf)
レボドパは生バナナジュースで服用すると吸収が低下する
バナナに含まれるポリフェノールオキシダーゼの酸化反応によりレボドパ 含量が低下する。
消化管移動中に変化が起きるため、レボドパとバナナは時間をあけることが必要です。
参考文献
バナナジュースはレボドパ製剤のバイオアベイラビリティを低下させる(https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/125/12/125_12_1009/_article/-char/ja/)
そのほかレボドパの吸収を低下させるものは
- 1日に体重1kgあたり1.5gのタンパク質を摂取する(小腸のアミノ酸輸送担体にて吸収されるため、タンパク質が増えると競合するため)
- 牛乳で内服する
まとめ
今回はレボドパ服用時の飲み物で効果に差が出ることを紹介しました。
レボドパに限らず、薬剤使用時は効果的に使用できるよう知識を見つけましょう。
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